躁うつ病の説明

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躁うつ病(双極性障害)とは

気分がハイな状態になったり、落ち込んだりと「躁」と「うつ」を繰り返す病気です。
躁の症状としましては下記のような例があります。
  • ◆気分が高揚する→明らかに普段より元気過ぎる。
  • ◆今までしなかった活動を行うようになる
    急に旅行に行こうとする。いきなり趣味を見付けて1日中没頭する。
  • ◆怒りっぽくなる→常にイライラしたり、ちょっとした刺激で怒鳴り始める。
  • ◆多弁→相手が話をはさめない程、喋り続ける。
  • ◆あまり眠らなくても疲れずに活動できる→2-3時間の睡眠で早朝から活動する。
  • ◆注意散漫になる→周囲に気が回らず、事故を起こしたり、トラブルになる。
  • ◆浪費が増える→車や大型テレビ、貴金属、高級バッグなどを一気に購入する。
  • ◆自尊心が大きくなる→自分が偉く、何でも出来ると自信にあふれる。

躁うつ病(双極性障害)の治療

気分安定薬
気分安定薬という「躁」にも「うつ」にも、なりにくくする薬が治療の中心となります。

気分安定薬の種類
◇炭酸リチウム(リーマス):昔からある躁うつ病治療の基本薬です。手の震えや口の渇きなどの副作用や中毒への注意が必要で血液中の濃度を測りながら使うことから、使用頻度はやや減少してきています。
◇バルプロ酸Na(デパケン、セレニカ):比較的使いやすい薬剤です。
◇テグレトール(カルバマゼピン、レキシン):特に躁状態に効果があります。
◇ラモトリギン(ラミクタール):特にうつ症状の改善に効果があります。副作用は全般的には少ないですが、発疹が出た場合は、重篤な副作用につながる場合がありますので、すぐに中止が必要です。

抗精神病薬
気分安定薬が効果を発揮するまでには時間がかかります。非定型抗精神病薬を併用することで、早期に改善が期待できる場合があります。
オランザピン(ジプレキサ)は、躁うつ病の躁症状・うつ症状両方への適応があります。アリピプラゾール(エビリファイ)は、躁うつ病の躁状態に適応があります。他にも躁状態が重度の場合は、鎮静作用を有する抗精神病薬が併用されることがあります。
抗うつ薬
抗うつ薬の使用は、効果がない、躁転のリスクがあると賛否がありますが、実際は使われることも多いと思われます。
ノルアドレナリンへの作用が強い三環系抗うつ薬・SNRI等の薬剤は、躁の状態になるリスクや気分の波のサイクルが激しくなるリスクが高くなりますので、躁うつ病の方には使用しないのが原則となります。
躁うつ病の傾向に気付かずに、三環系抗うつ薬・SNRI等が処方されている場合もございますので、抗うつ薬を飲み始めてから気分の波が激しくなった場合には、ご自身の薬の内容を一度確認されてください。

その他
現時点でうつ症状だけで、明らかな躁症状が無い場合でも、特定の症状や経過などから潜在的な躁うつ病が疑われる場合は、躁うつ病の治療に準じた治療を行う場合もあります。