アルコール関連の障害について

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当院は大分県より「アルコール依存症専門医療機関」に選定されております。

アルコールで起こりえる身体の異常

主な症状としては以下のようなものがあります。
  • ◆肝機能障害
  • ◆アルコール性肝炎
  • ◆肝硬変
  • ◆息切れ感または息苦しさ
  • ◆食道静脈瘤
  • ◆膵炎
  • ◆糖尿病
  • ◆痛風
  • ◆脳萎縮
  • ◆末梢神経障害
以上のような症状がよくみられます(※上記の症状のすべてが1人の人にみられる訳ではありません)。

アルコールで起こりえる精神の異常

アルコール離脱せん妄
飲酒を大量に長期間している方が、体調不良など何かの拍子に急に飲酒を止めた際に離脱症状を起こします。 全身の震え、発熱、発汗などがみられ、ひどい場合は痙攣発作を起こします。虫などの小動物幻視(体中を黒い小さな虫が這っているなど)や妄想(組織に襲われるから逃げないと危ないなど)を伴うことも多いです。意識障害を起こしているため、日時や場所も分からず、会話も了解出来ない内容で所々しか通じません(1日の内でもいい時と悪い時があり変動します)。焦点の合っていないような目をされながら、幻覚妄想に左右された発言もみられ、興奮して家を飛び出そうとされることもあります。多くの場合は、入院治療になり、ジアゼパム等の離脱を抑える薬物、場合によっては抗精神病薬を使用して治療します。

ウェルニッケ・コルサコフ症候群
アルコールを長期間飲み続け、食事を殆ど摂らなかった際に発症します。ビタミンB1欠乏による脳神経障害です。歩けなくなった状態で発見される場合がかなりあります。ウェルニッケ症候群は、意識障害・歩行障害・眼球運動障害・多発性神経炎が起こります。コルサコフ症候群では、見当識障害(場所・時間・人物などが分からない)・記銘力障害・作話などがみられます。治療としてビタミンの大量投与を行いますが、一度、発症してしまうと回復が困難な場合が多く、認知症状態が持続します。
◆アルコール依存症
◇毎日飲酒して、大声で怒鳴ったり、家族への暴力がみられる方
◇昼間から飲酒して、仕事にも影響が出ている方
◇肝硬変飲酒による内臓障害を指摘されている、体に変調をきたしているのに飲酒を止めない方はアルコール依存症の疑いがあります。

アルコール依存症の治療

自分ではどうしても止められない方や身体的に悪化している場合は、入院治療となります。みなさん最初は、今後、自分で調整してうまくお酒と付き合っていけると言われますが、そのうち飲酒量は増えていき、元の依存症の状態に戻ります。節酒(少しだけ飲む)は、難しいので断酒(全くお酒を飲まない)が基本となります。
◇シアナマイド、ノックビンといった抗酒薬を内服してもらい、飲酒できない(お酒が分解出来ずにひどい二日酔いの状態になる)体になってもらう方法もあります。現在は、ノックビンの少量内服が主流です。
◇久里浜式認知療法を受けてもらい、飲酒への考え方を修正してもらいます。
◇断酒の継続には、断酒会、AAの利用が推奨されます。
◇当院では、レグテクトという飲酒したい欲求自体を下げる作用のある薬、セリンクロという飲酒量を減らす効果のある薬の処方も可能です(2つとも保険適応)。
入院治療に関しましては、医療相談室にお問い合わせください。当院では、ARP(アルコール症リハビリテーションプログラム)を行っております。
入院に関しての注意事項
「他の患者さまの療養環境に大きく影響を及ぼす方」「病院のルールが守れない方」は、入院をお断りする、また早期に退院していただくこともございます。 「入院治療中に飲酒した場合」には、退院していただく場合もございます。